イングランド・プレミアリーグ(サッカー)2019-2020シーズンにおいて、つい先日リバプールFCの30年ぶりのリーグ優勝が確定しました。プレミアリーグになってからは初の戴冠とのこと。つい先日から始めたこのブログにも、応援しているチームとして、リバプールを挙げていましたから、本当に嬉しいです。名古屋にある一牧師室から、心からの祝意を送ります。リバプールFC、選手、ユルゲン・クロップ監督、スタッフ、そしてファンの皆さん、おめでとうございます!!一時、優勝なしの話題もありましたから、自力での優勝、感慨深いです。
僕とリバプールの出会いは、「You’ll Never Walk Alone」がきっかけです。2014年5月に、僕の前任地、相模中央キリスト教会(神奈川)の福永主任牧師(当時)が転任される最後のお別れの時に、江原音楽主事が惜別の歌を歌ったのでした。それが、リバプールFCの応援歌「You’ll Never Walk Alone」だったのです。当時、僕は有料チャンネルに入っていて、海外リーグの試合をよくテレビで観戦していましたが、当時のリバプールは「もろい」という印象でした。スアレス、スターリッジ、ジェラードがいい時はいい。でも悪い時には、試合中に修正できない。13-14シーズンはマンCに最後やられた印象が強かったです。でもファンの熱狂さ、アン・フィールドの圧倒する雰囲気はすごいと思っていました。そして、江原先生の「You’ll Never Walk Alone」が、本当に美しい、背筋がゾクっとするような歌(声)だったのです。
この曲を聴いてから、リバプールのアンセムバージョンにも、画面越しでありながら心震える体験をしました。そして翌シーズン途中に、ユルゲン・クロップ監督が着任。ドルトムント・香川眞司選手とのハグが印象に残る監督で、ドイツ・ブンデスリーガーでの実績を知り、2010年以来、僕はその監督としての姿に影響を受けてきました。特に発せられる言葉、ユーモアと率直さのバランスが絶妙でした。言葉で信頼と情熱を獲得する。選手にも、フロントにも、ファンにも皆同じように、敬意を払い、自分の言葉を伝え、チームの指揮を高める人。牧師みたいだなぁと。「強くなるな」と、感じました。それ以来リバプールFCのファンとなり、少しだけクラブの歴史を知り、試合をよくおっていました。
今回の優勝に至る道程に関して、僕は2つのことが印象に残っています。
1つは、CL17-18決勝で、レアル・マドリードに負けた後のことです。モハメド・サラー選手の怪我による途中離脱から、連続の失点。試合中から、チーム皆の顔に悲壮感が漂っていました。特にその怪我は、相手プレーヤーとの接触によるもので、故意かどうかの疑惑が残り、リバプールの選手の集中力を削ぐケースだったでしょうし、初の大舞台の選手も多くGKカリウス選手はじめ、なんかたどたどしかったのです。その後の記者会見で、クロップ監督は、ひどい顔をしている、と自分のこと(チームのこと)を認め、敗戦の傷を隠そうとはしませんでした。また、相手チーム・選手を乏しめることもありませんでした。ただ負けとつらい心情を認めて、次へ活かす、糧にするという姿が印象的でした。
2つ目は、翌年のCL18-19において、バルセロナFCに、準決勝のセカンドレグ、アンフィールで、4点いれなければ負けるという試合で、見事4-0で勝ち進んだことです。この時、モハメド・サラー選手は怪我でベンチ外でした。でも、誰一人として、負けると思っていなかった。絶対的レギュラー、エースの一人であるサラー選手がいなくても、勝てると信じていた。そういう顔で皆プレーしていました。そしてサラー選手自身が、勝利のあと、ニコニコしてピッチにやってきて、自分のT-シャツを「これこれ」と、指さすのです。「NEVER GIVE UP」と書かれたTシャツを。レギュラーも、ベンチも、ファンも、監督も関係なく、皆が勝つと信じていて、そして勝った試合でした。誰も、あの時レアル・マドリードに負けた時の顔をしていませんでした。負けても「You’ll Never Walk Alone」の思いの中を皆が歩き、顔を上げて「NEVER GIVE UP」を体現し、CLを制覇。そして今シーズンの圧倒的優勝に結びついたと思います。
どんなに人生に「負け」を認める夜があっても、傷付き倒れ果てる程の闇を感じることがあっても、この2つの「NEVER」の言葉を聴いて、人は何度でもそこから立ち上がれることを、深い感動と共に教えてもらいました。
おめでとう、そしてありがとうリバプール! You’ll Never Walk Alone!